先進医療届出

眼感染疾患に対する先進医療

下記先進医療が承認されています。
「ウイルスに起因する難治性の眼感染疾患に対する迅速診断(PCR法)」
「細菌または真菌に起因する難治性の眼感染疾患に対する迅速診断(PCR法)」

表1 先進医療・適応症(厚生労働省のホームページより抜粋)

ウィルスに起因する難治性の眼感染疾患に対する迅速診断(PCR法)
豚脂様背面沈着物もしくは眼圧上昇の症状を有する片眼性の前眼部疾患(ヘルペス性角膜内皮膚炎またはヘルペス性虹彩炎が疑われるものに限る。)または網膜に壊死病巣を有する眼底疾患(急性網膜壊死、サイトメガロウィルス網膜炎または進行性網膜外層壊死が疑われるものに限る。)
細菌または真菌に起因する難治性の眼感染疾患に対する迅速診断(PCR法)
前房蓄膿、前房フィブリン・ガラス隊混濁または網膜病変を有する眼内炎

表2 先進医療・主な届出要件(厚生労働省のホームページより抜粋)

主に実施する医師
・眼科10年目以上で、眼科専門医まやは感染症専門医である。
・PCRを用いた眼感染症検査経験が1年以上、20例以上がある。
医療機関
・眼科・内科を標搒し、眼科常勤医3名以上、内科常勤、臨床検査技師が居る。
・倫理委員会・医療安全管理委員会を設置。
・PCRを用いた眼感染症検査症例が15例以上ある。

詳しい適応症・届出要件については、下記厚生労働省のホームページを御参照下さい。
厚生労働省:当該技術を実施可能とする医療機関の要件一覧

先進医療のポイント

  • 先進医療部分は患者が全額自己負担・保険診療と共通する部分は保険給付
  • 要件を満たし、届出した施設に限定
  • 外注受託は不可
  • 外来・入院ともに算定可
  • 検体採取費は先進医療に含む
  • 先進医療特約付医療保険あり
  • 医療費控除の対象であるが、高額療養費制度の対象ではない
  • 代替法なし・研究ではない・生命維持無関係は、生活保護医療扶助・実質適用外

先進医療届出手順

  1. 症例数などの要件を満たす
  2. 自施設の先進医療申請担当の事務部門に連絡、共同で書類記入。2万円台半ば~3万円台半ばが多い
  3. 地方厚生局届出
  4. 約1ヶ月で承認
  5. 先進医療プロトコルで院内IRB申請
  6. 症例集積研究でIRB承認済でも、費用などを先進医療の内容に修正して再承認を得る
  7. 厚労省・主幹施設の医科歯科大への情報提供可能なプロトコルにする
  8. 患者検査実施
  9. 通常の研究と同様、カルテには説明日時・場所・説明相手・内容(費用や採取方法)・患者様や御家族の反応などを記載し、同意書は適切に保管

厚労省HP 先進医療に係る通知、届出書等の様式及びその記載要領等について
新規届出は別紙3、変更は別紙6、実績報告は別紙7-様式第1号(別添1) をダウンロードします。
記載要領(先進医療に係る届出書等の記載要領等について) も参考になります。

定期報告

  • 承認後6か月 /15例まで毎月と、1年毎(7/1~6/30)地方厚生局に定期報告
  • 診断名が最も重要です。不適切な診断名は保険診療化の障害になるため、医師が上記適応症に合致するか確認をお願い申し上げます。
  • 評価結果はPCR結果の陰陽問わず、除外診断としてを含め、診断に役立てば有効評価です。
図 先進医療定期報告
図 先進医療定期報告

先進医療届出サポート

届出書類自体は容易です。大分大学では届出サポートを行っています。
症例集積IRB、先進医療届出・IRB・定期報告の書類見本は大分大学のものを提供可能です。
「自分の施設が基準を満たすか知りたい」、「どのように症例を集積していけば良いか」など、
中野(sanakano@[@マークを半角に変更してください]oita-u.ac.jp)までお気軽にお問い合わせ下さい。