角膜外来

細菌性、真菌性角膜潰瘍やアカントアメーバ角膜炎などの感染性疾患は、多くは入院治療をしています。角膜変性症、水疱性角膜症、円錐角膜などに対して、大分県アイバンクから提供を受けて全層及び表層角膜移植を行っています。

緊急性のある症例は、全国のアイバンクネットワークにお願いをして対応しています。円錐角膜などに対する特殊なコンタクトレンズも取り扱っています。

緑内障外来

原発開放隅角緑内障、閉塞隅角緑内障、続発緑内障などの様々なタイプの緑内障に対する診断と治療を行っています。 緑内障に対する特殊検査は眼圧検査や視野検査(ゴールドマン視野計、ハンフリー視野検査)、視神経乳頭解析(OCT, HRT3)を行っています。治療は点眼治療、レーザー治療で眼圧コントロールできない患者さんには手術治療を行っています。

手術治療は線維柱帯切開術、線維柱帯切除術、白内障・緑内障同時手術などを年間100-120例程度行っています。 近年、患者さんにとってはメリットの大きい、低侵襲緑内障手術(MIGS)とよばれる新しい手術治療が全国的に広がりを見せています。この手術治療については、大分大学でも積極的に導入を行っています。血管新生緑内障に対しては抗VEGF療法やチューブシャント手術を併用した治療を行っています。

眼炎症外来

眼内の炎症性疾患を「ぶどう膜炎」と呼びます。その原因は感染症によるもの(感染性ぶどう膜炎)、感染症によらないもの(非感染性ぶどう膜炎)、悪性腫瘍などに分類されます。

(1)感染性ぶどう膜炎は、ヘルペスなどのウイルス、細菌、寄生虫などの感染によって生じます。当院で開発した迅速検査試薬が先進医療や外注検査として全国に普及し、診断が容易になりました。早期診断・病原体ごとの適切な治療により、視力などの予後が改善し、手術に至る症例が減少しています。

(2)非感染性ぶどう膜炎は、サルコイドーシス、フォークト・小柳・原田病、ベーチェット病がよくみられます。眼炎症が全身疾患の一部であることも多いため、全身検査を実施し、他科とも連携しています。 治療は薬物治療が主体で、副腎皮質ステロイド剤や免疫抑制剤、生物学的製剤などを使用します。新しい薬剤(未承認医薬品等)についても厳格な審査の上で積極的に使用しています。

(3)腫瘍のうち、最も多い眼内リンパ腫はぶどう膜炎に似ていますが、悪性です。眼内液検査や全身検査に基づいた診断を行い、他科とも連携して、抗腫瘍薬を用いた治療(未承認医薬品等を含む)や放射線治療などを行っています。

※  ぶどう膜炎の合併症として緑内障や白内障が多いため、緑内障外来と同じ火曜日午前に眼炎症外来を実施しています。完全予約制のため、初診の方はまず一般外来を紹介受診されて下さい。

黄斑外来

網膜の中心で視力に最も重要な部位を『黄斑』と呼びます。黄斑部の障害は重度の視機能低下に繋がるため、疾患の早期発見・治療が重要になります。黄斑外来では加齢黄斑変性症を中心として、中心性漿液性脈絡網膜症などの黄斑疾患に対する検査・治療を行なっております。

光干渉断層検査(OCT)で病気の状態や治療の効果判定を行います。

加齢黄斑変性症は完治する疾患ではなく、治療の目的は病勢の鎮静化です。早期治療で視力の改善・視機能の維持が期待できます。治療には主に抗VEGF薬の硝子体注射を行います。病態や経過によって光線力学的療法(PDT)を併用することがあります。どんなに治療がうまくいっても再燃する可能性があるため、継続的な経過観察・治療が必要です。

小児眼科外来

小児は視機能の発達において重要な時期で、発達の妨げになるような異常をなるべく早い時期に診断し、治療を開始する必要があります。当外来では近視・遠視・乱視などの屈折異常や、弱視(眼鏡をかけても良い視力がでない状態)、斜視(黒目の位置がずれている状態)を専門に治療しています。特殊眼鏡の処方や、弱視訓練の実施・自宅指導を行い、症例に応じては全身麻酔下での斜視手術を施行しています。「視線が合わない」「片目をつむる」「首を傾けて物を見る」「目が揺れている」などお子さんの目に関して気になる症状があれば早めの受診をお勧めします。

成人の斜視についても複視や眼精疲労の軽減、美容的観点から積極的に治療を行っています。脳・神経の障害で発症する麻痺性斜視、甲状腺眼症にともなう斜視も当外来で扱っておりますのでご相談下さい。
外来診療日 水(午後)・金(午後) ※完全予約制です。初診の方はまず一般外来を受診して下さい。